それぞれの命
JUGEMテーマ:日記・一般
晩秋の湖畔にはたくさんの命が集まってくる。
陸に上がり餌を探すもの。
水面をゆくもの、叩くもの。
人でいう人口密度は高そうだが、人と違い彼らが集まる理由は自然の摂理と気の赴くままの行動による
ものだ。
生きるために必要なだけの営みをする。
邪念などはなく、神様に授けられた純真という本能に従い食に向かい、充足すれば体を休める。
社会制度の助け?などはない代わりに、自分の身は自分で守らなければならない。
けれど、侵害されるものはなく、個の権利は守られる。
一方、人の世界では束の間の時の停滞すら許してはもらえない。
たとえ体調を崩して休もうが、郵便物はどんどんと送りつけられ、ベルはなり、連絡や対応にも迫られ、
そして追われる。
何とか乗り越えられたとしても、年を取れば、物事の理解も困難になってくるし、今しがたの記憶すら
失われるケースもどんどんと増えてくる。
介護保険制度はあるけれども、
意思の疎通が図られなければ、その人にとってのより良い世界すら見いだせなくなる。
認知症の問題だけではありません。
その上に身体の自由を失くしてしまえば、個の自由はおろか介護をしてくれている周囲の人たちの自由
や健常な精神さえも、より危ぶまれてしまう。
認知症の人も、体が不自由な人も、心を病む人も、皆が不幸でない、できれば幸せな老後を送っていた
だける未来になってくれることを願ってやみません。