僕の薄情
〜 僕の薄情 〜
羽化して間もないのか、羽の色が濃ゆい
ほんの数分で羽根に透明に近い透かしが入った
セミやトンボ以外で透明な羽根を持つものを知らない
珍しい、もしくは綺麗と思ったからシャッターを切った
しかし、柘植の木を食い荒らす害虫とのこと
それはともかく、「ガ」であるということを聞いただけで
「アオスジアゲハに似た美しさ」と記そうとした手が止まり不協和音な気持ちが染み出てきた
そこには、生理的に、素直に受け入れられない「僕の薄情」があった
ものごとは語る前に、事実を確かめた上で、傷つけない思慮をめぐらす必要性の存在を教えられ
逆であればどうなのかということも、自分自身に対する嫌気についても感じさせられることになった